本を"自分の所有物"にする感覚

先日、図書館のリサイクル本コーナーで好きな作家の本を手に入れた。

ふだん本はKindle電子書籍を購入している。気になる部分があればハイライト機能を使って色分け。図書館で本を借りることも多いので、その場合はメモしたい部分をスマートフォンでメモしながら読む。

自分で所有する本が紙媒体なのはちょっと久しぶり。 本はちょっと変わったエッセイもの。中島らもの「しりとりえっせい」。

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読んでいるとき、「お」と思う話があった。これは後々も覚えておきたい、思い出したい話だな。これが電子書籍だったら間違いなくハイライトもしくはブックマークする場面。 メモをとろうと思ったが、面倒臭かったから「まぁいいや」と思ってページの端をちょこっと折りたたんだ。ドッグイヤーというやつ。

久しぶりの感覚だった。ページを折るのはいつぶりだろう。 というのも紙の本が久しぶりならば、本のページを折ったり書き込んだりするのも久しぶり且つこれまで極力避けてきた。以前、メモを書いた本をあとから読み返したとき、読むのにずいぶん気が散ってしまって苦労した経験があるからだ。自分自身が残したメモなのに。

紙の本じゃないと内容が頭に入ってこない、という人がいるが、なるほどそういうことかと理解できた。本のページ端を折ったり、ラインをひいたり、直接メモを書き込んだりしたとき、本ははじめて自分の「所有物」になる。その形跡は消えない。故に慎重になるため、愛着も出るし、記憶にも残りやすくなるんだろう。これは電子書籍では体験できない。