2013年のころに思い浮かべていた今

2013年9月 IOC会長が「TOKYO」と読み上げたと同時に大喜びする東京招致関係者達の映像は何度も目にした。当時は家族でよく再現をした。誰かが「TOKYO!」とイントネーションをマネる。他がワッ!と湧く遊び。

横浜の海

2013年のあの頃。彼氏と旅行中だった。いつもなら旅行は昔ながらの旅館に泊まるのに、たまにはホテルにしてベッドで寝ようと思い立った。裸足でうろうろ出来ないのが煩わしく、やっぱり今度からは旅館にしようと思った。 2020年夏季五輪の開催地が東京に決まったと知ったのは、朝のニュースだったと思う。

7年は絶妙な距離だ。5年よりは長く、10年よりは短い。かろうじて未来を想像できなくない距離を思い浮かべた。 結婚して、子供が産まれているだろうか。その頃は30代だ。1964年の東京オリンピックは、もちろん映像でしか見たことがないけど、明るくて希望に満ち溢れている印象だ。同じような景色を子供に見せれるだろうか。子供は、大人になったときそれを覚えていてくれるだろうか。あの頃は五輪よりも、自分の未来に夢中だった。

しかし現実は違った。思い浮かべた未来とは程遠い。結婚はダメだった。子供は五輪でいつものテレビ番組が中止になり残念がっていた。しかも甲子園を見て五輪がまだ続いていると思っている。 今の生活に不満はないけれど、2013年の自分が知ったらどう思うだろうか。残念がるかな。あの頃はまだ学生気分も抜けていなかったからな。

同じように、2013年に未来を思い浮かべていた人達はどうだろうか。だれも新型コロナウイルスによって生活が一変させられると思いもしなかったはずだ。多くの人が現実とは違ったかもしれない。 数年後「こうしてたらいいな」「あれができればいいな」と夢を持つのも楽しいけど、過去に思いを馳せるのもそんなに悪くない。ちょっとしたタイムスリップだ。今が大変なときだからかな。