「窓ぎわのトットちゃん」を読んだ

読んだきっかけ

はじめて「窓ぎわのトットちゃん」を読んだ。 黒柳徹子のファンである母に、小さい頃から幾度となく「トットちゃん読みなさい。面白いよ。」と言われてきた。「トットちゃんは面白くて、有名な本」という認識は頭の中にあった。小学校の学級文庫にもあった気がする。 だけど親から素直に勧められた本を素直に読むことがどこか恥ずかしく、30代になった今まで読めずにいた。

何故読む気になったかというと、きっかけはフワちゃんである。最近気になるフワちゃん。徹子の部屋のゲストがフワちゃんと知り、これは見なくては!と視聴。そこであのフワちゃんが「窓ぎわのトットちゃん」に影響を受けたことを知り、はじめて興味を持った。さっそく読んだ。

癒されるのに泣ける

黒柳徹子の文章は一文が長かったり、句読点が多かったりするのに凄く読みやすい。黒柳徹子がおしゃべりしているような、可愛いらしい文体でさらさら読める。難しい言葉を使っている訳ではないのに、感情移入して涙が出そうになる。とにかく引き込まれた。ハリウッド映画のアクションか?!というぐらい手に汗握る話もあった。

私もトモエ学園に通いたかった。小林先生に出会いたかった。 本当に、本当に子どもにとって先生との出会いは人生を左右させる。子どもは親を選べないのと同じ様に、先生も出会えない...。

読了後の切なさ

読了後は切なくてたまらなかった。戦争がすべてを奪った。トットちゃんにもっとトモエ学園で過ごしてほしかった。トモエ学園を卒業してほしかった。もっとたくさんの子ども達がトモエ学園に通えれば良かった。その機会を戦争が奪った。

だけど黒柳徹子が「窓ぎわのトットちゃん」を書いてくれた。日本だけでなく世界中で読まれるベストセラーとなったことで、トモエ学園の教育は今も広がり続けているんだなと思うと安心した。もっとはやく読めばよかったなぁ。

小林先生の教育方針

どんな子も、生まれたときには、いい性質を持っている。それが大きくなる間に、いろいろな、まわりの環境とか、大人たちの影響で、スポイルされてしまう。だから、早く、この『いい性質』を見つけて、それをのばしていき、個性のある人間にしていこう

あとがきにあった小林先生の教育方針が、日頃母親が口にしていることと同じで驚いた。自分も知らない間にトモエ学園の教育を受けていたのだなと嬉しかった。本人に話したら「え、そうだった?」ときょとんとしていたけど。 この教育方針を格段特殊と感じないのは、現代に小林先生の教育が浸透している証拠でもある。